貧血

1. なぜ鉄が減るとダメなのか?(仕組みと隠れ貧血)

赤血球の中にある「ヘモグロビン」は、酸素を運ぶトラックのような役割をしています。鉄はそのトラックの「荷台」にあたります。鉄が不足すると荷台が作れず、全身に酸素を運べなくなります。 
  • 貯蔵鉄(フェリチン)の重要性:体の中には、銀行の貯金のように蓄えられている鉄(フェリチン)があります。
  • 「隠れ貧血」とは:健康診断の一般的な血液検査(ヘモグロビン値)が正常でも、この貯金(フェリチン)が底を突いている状態を指します。なんとなく体がだるい、疲れやすいという場合は隠れ貧血の可能性があります。

 

2. 鉄分不足だけではない「貧血の種類」

貧血の約7割は鉄分不足(鉄欠乏性貧血)ですが、それ以外にも重要な原因があります
  • ビタミン欠乏性貧血(悪性貧血):赤血球の細胞を作るのに必要なビタミンB12や葉酸が不足して起こります
  • 二次性貧血(症候性貧血):がんや胃潰瘍、大腸ポリープなどによる消化管からの持続的な出血や、持続する強い炎症が原因となります
  • 腎性貧血:腎臓から分泌される、赤血球を作れと命令するホルモン(エリスロポエチン)が減ることで起こります
  • 造血障害(再生不良性貧血・白血病など):血液を作る工場である「骨髄」そのものの病気です

 

3. 食事改善の徹底ガイド(鉄分の組み合わせ)

食事から摂れる鉄分には2種類あり、一緒に食べるもので吸収率が劇的に変わります。 
【ヘム鉄(吸収率が高い:約15〜30%)】
  └ レバー、赤身肉、カツオ、マグロ、アサリなど
【非ヘム鉄(吸収率が低い:約2〜5%)】
  └ ほうれん草、小松菜、豆腐、納豆、ひじきなど

吸収率を爆発的に上げるコツ

  • 非ヘム鉄 + ビタミンC・植物性タンパク質
    ほうれん草(非ヘム鉄)にレモン(ビタミンC)を絞ったり、豆腐(非ヘム鉄)と肉(タンパク質)を一緒に炒めると、鉄の吸収率が数倍にアップします
     
  • 胃酸の分泌を促す
    酢の物、梅干し、柑橘類など酸味のあるものを食べると胃酸が出て、鉄の吸収が良くなります
     
  • お茶・コーヒーのタイミングに注意
    タンニン(緑茶、紅茶、コーヒーなど)は鉄の吸収を妨げます
    。食事中や食後30分は、水や麦茶、ほうじ茶にするのがベストです。

 

4. 病院での検査と治療法

食事だけで重度の貧血(ヘモグロビン値8〜10g/dL未満など)を治すのは困難なため、医療機関での治療が不可欠です。 
  • 詳しい血液検査:ヘモグロビン値だけでなく、血清鉄、フェリチン(貯蔵鉄)、網赤血球、ビタミン濃度などを細かく調べ、原因を特定します。
  • 内服治療(鉄剤の処方):主に鉄剤の飲み薬が処方されます。
    • 期間:ヘモグロビン値が正常に戻っても、体内の貯金(フェリチン)が満たされるまで最低3ヶ月〜半年は服用を続ける必要があります
    • 副作用:吐き気、胃のむかつき、便秘、便が黒くなる(鉄が排出されるため)ことがあります。辛い場合は、主治医に相談すればシロップ剤や胃薬の併用、別の種類への変更が可能です。 

  • 鉄剤注射の注意点:安易な鉄剤注射は体内に鉄が過剰に溜まり、内臓に障害を起こす危険があるため、医師が真に必要と判断した場合(経口投与がどうしても難しい場合など)のみ行われます

 

 

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