気象病(天気痛)

気象病(天気痛)とは、気圧や温度、湿度などの急激な気候変動によって自律神経が乱れ、頭痛やめまい、倦怠感などの不調を引き起こす症状の総称です。 

1. 体の中で何が起きている?(不調のメカニズム)

天気が崩れる(気圧が下がる)とき、私たちの体は大きく3つのステップでストレスを受けています。 
  • 内耳(耳の奥)のセンサーが過剰反応
    耳の奥にある「内耳」には、気圧の変化を感知するセンサーがあります。このセンサーの感受性が高い人は、わずかな気圧の変化でも脳へ「大急ぎで対応せよ」と過剰なサインを送ってしまいます。
     
  • 自律神経がパニックを起こす
    脳の視床下部という場所が刺激され、体を活動モードにする「交感神経」が過剰に興奮します。これにより、血管が急激に収縮したり拡張したりして、自律神経のバランスが崩れます。
     
  • 「痛み物質」の放出と血行不良
    内耳からの刺激が顔の神経(三叉神経)に伝わると、脳の血管が拡張して痛み物質が出ます(これが片頭痛の原因)。同時に、交感神経の緊張で首や肩の筋肉が凝り固まり、血行が悪くなります(これが緊張型頭痛やだるさの原因)。
     

2. 気象病によく使われる「市販薬」と選ぶ基準

気象病の症状は「痛みのブロック」か「体内の水分バランスの調整」かで選ぶ薬が変わります。 

薬のタイプ 代表的な漢方薬・成分 こんな症状・タイミングに
漢方薬(水分調節) 五苓散(ごれいさん)
(市販薬名:テイラックキアガード など)
天気が崩れる予兆(耳の詰まりやだるさ)を感じた瞬間に飲むと効果的。体内の余分な「水(すい)」を排出して血管のむくみを抑えます。
漢方薬(めまい特化) 苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう) 頭痛よりも、天気が悪い日のフワフワするめまい、立ちくらみ、動悸が主な悩みの人に向いています。
解熱鎮痛薬 ロキソプロフェンイブプロフェンなど 実際に頭痛が始まってしまったときに。痛みがひどくなる前の「早めのタイミング」で飲むのがコツです。
乗り物酔い止め 抗ヒスタミン成分など 内耳の興奮を直接鎮めるため、気圧変化による強いめまいや吐き気に効果を示すことがあります。

※鎮痛薬を月に10日以上など頻繁に飲みすぎると、かえって頭痛が悪化する「薬物乱用頭痛」を引き起こすため注意が必要です。 

3. 今日からできる効果的な予防習慣

気象病になりにくい体を作るには、内耳の血流を良くすることと、自律神経を日頃から鍛えることが有効です。 
  • 「くるくる耳マッサージ」を習慣にする
    両耳を軽くつまんで、上・下・横に5秒ずつ引っ張ったり、後ろに向かってゆっくり5回まわしたりします。耳の周りの血流が良くなり、内耳のセンサーの過敏さが和らぎます。天気が崩れそうな前に行うのがベストです。
     
  • 朝食に「プラス1品のタンパク質」
    卵、納豆、ヨーグルトなど、簡単なタンパク質を朝に一品足してください。自律神経を安定させる脳内物質(セロトニン)の材料になります。
     
  • 「痛み日記」をつけてパターンを知る
    「いつ体調が悪くなったか」と「その時の天気・気圧」をメモしておきます。自分の体調が崩れる「気圧のボーダーライン」が分かると、薬を飲むタイミングを予測できるようになります。

 

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