こんにちは。英ウィメンズクリニックサプリメントサポートセンター
センター長の山口庸仁です。
『タバコの影響について』
喫煙の妊娠への影響について、米国生殖医学会(ASRM)から発表資料です。
Fertil Steril 2012; 98: 1400
米国では、生殖年齢の男性の35%、女性の30%がタバコを吸います。喫煙は様々な健康への悪影響がありますが、こと妊娠に関しては一般の認知度が低くなっています。
喫煙のリスク 一般人の認識率
呼吸器疾患 99%
心疾患 96%
流産 39%
骨粗鬆症 30%
子宮外妊娠 27%
不妊症 22%
早発閉経 17%
上記のものは、全て喫煙によりリスクが増加します。
1 不妊症の13%は、喫煙が原因
2 喫煙はあきらかに生殖機能を悪化させ、女性の閉経が1~4年早くなる
3 喫煙者の男性の精液所見は22%低下し、タバコの本数に比例する
4 喫煙は、流産と子宮外妊娠のリスクを増加する
5 喫煙による胎児(受精卵)奇形率の増加が一因となる
6 喫煙者は体外受精で妊娠するには、非喫煙者の2倍の回数を要する
7 受動喫煙が多い方は喫煙者と同等になる
考察
最近、タイムラプス•イメージングという装置で、個々の胚の発生状況を動画のようにみることができるようになりました。
胚の発生は静と動のメリハリが大切で、分割する時は素早く、力を蓄えるときは静かにという胚が最も良い胚であることがわかっています。Fertil Steril 2013; 99: 1944(フランス)
本論文は、タイムラプス•イメージングを用いて胚を観察したところ、タバコが胚発生の速度を遅くしていることを示しています。喫煙による妊娠率低下の一因と考えられます。 顕微授精(ICSI)を行った135名の女性(喫煙群23名、非喫煙群112名)から、のべ868個の胚を得ました(喫煙群139個、非喫煙群729個)。
両群間の、年齢、BMI、ホルモン値、パートナーの年齢、精液所見、不妊期間、刺激方法、ピークのE2値、受精率、良好胚率、移植個数に有意差を認めませんでした。
ただし、AMH(3.6 vs. 5.0)およびAFC(胞状卵胞数、15.6 vs. 19.8)は、喫煙群で有意に低くなっていました。
タイムラプス•イメージングでは、喫煙群(9.31時間)のPN出現時間が非喫煙群(11.12時間)より有意に早くなっていましたが、PN消失時間は同じでした。
また、喫煙群(10.97時間)が非喫煙群(8,89時間)より有意に遅くなっていました。
3~8細胞の全てのステージにおいて喫煙群の胚分割の時期が非喫煙群より有意に遅くなっていました。
4細胞期到達時間(t4: 41.48時間vs.40.79時間)
5細胞期到達時間(t5: 49.97時間vs.48.87時間)
6細胞期到達時間(t6: 53.6時間vs.52.0時間)
8細胞期到達時間(t8: 61.63時間vs.58,46時間)でした。
着床率は13.8%vs.21.2%
妊娠継続率は13.0%vs.30.4%
タイムラプス•イメージングを用いることで、これまでのようなある一時点での観察では気づかない様々な事実が明らかになってきました。
本論文はタバコの影響をみたものですが、一見差がないように見える胚でも、その細胞内ではダメージが胚を蝕んでいる様子が容易に想像されます。
禁煙できないのなら
子育てだって、カラダが資本。
禁煙することでカラダをにも、お財布にも優しい。
わかっているけど、、、辞められない。
だったら、漢方です。お金はかかります。タバコ代に漢方代。でも、辞められないのなら、漢方を始めるしかないんです。
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