精子の質を高めるためには、「何を食べるか」と同じくらい「生活習慣」が重要です。まず、肥満(BMI25以上)は男性ホルモン(テストステロン)を低下させ、精子の数や運動率を悪化させる要因になります。揚げ物やラーメンなどの高カロリー食を控え、適正体重を目指すことが精子力アップへの近道です。
また、過度な飲酒も精巣機能に悪影響を与えます。毎日の晩酌は休肝日を作る、量は適量(ビール1缶程度)に抑えるなどの配慮が必要です。そして、精子は熱に弱いため、長風呂やサウナは控え、下着は通気性の良いトランクスを選ぶことも効果的です。夫婦二人で健康的な食卓を囲むことが、最強の妊活になります。
肥満が与える悪影響
肥満は、ホルモンバランスの乱れと物理的な体温上昇の2つのルートから精子にダメージを与えます。
①テストステロンの減少:脂肪組織が増えると男性ホルモンが雌性ホルモンへと変換されやすくなり、精子を作るために必須なテストステロンが減少します。
②精巣の温度上昇:下腹部や太ももの脂肪によって精巣(睾丸)が圧迫され、熱がこもりやすくなります。精子は熱に非常に弱いため、これにより造精機能が著しく低下します。
③精子の質と量の低下:ホルモン異常と高温環境が重なることで、精子濃度の低下や運動率の悪化を引き起こします。
飲酒が与える悪影響
飲酒は、適量であれば問題ありませんが、過度な摂取や毎日の習慣的な飲酒が精子の質を落とします。
①精子形成の阻害:アルコールの過剰摂取は、精子を成熟させるテストステロンの分泌を直接低下させます。
②精液所見の悪化:毎日の飲酒は、お酒をたまにしか飲まない人に比べて、精液量・精子濃度・運動率・正常な形態をした精子の割合がすべて有意に低下することがわかっています。
③EDや射精障害のリスク:アルコールの作用によって神経伝達が鈍くなり、勃起不全(ED)や射精に至るまでの時間が長くなるなど、性機能そのものに影響が出る場合があります。
不妊治療の専門クリニックなどの知見に基づく改善の目安です。
- 体重管理:BMI(体重kg ÷ 身長m ÷ 身長m)の標準範囲である「18.5〜24.9」を目指し、緩やかなダイエットを行います。
- 減酒と休肝日:お酒を完全にゼロにする必要はありませんが、1日の目安を「純アルコール20g(ビール中瓶1本、または日本酒1合程度)」未満に抑え、必ず週に数日の休肝日を設けます。
生活習慣の改善によって精子の状態は部分的に回復する可能性があるため、まずは無理のない範囲で「減酒」と「適正体重へのコントロール」を進めることが大切です。
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